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裁判所は、裁判地の不適切さ「のみを理由として」却下すべきであると述べながら、それでもなお特許適格性を否定した

York Faulkner
1 日前
読了時間: 30分

「Bath & Body Worksの準備書面は、地方裁判所によるRule 12(b)(6)に基づく特許不適格判断の排除効をめぐる将来のあらゆる訴訟の行方を不透明にした……」

 


I. はじめに

 

AML IP, LLC v. Bath & Body Works Direct, Inc. et al., No. 25-1280 (Fed. Cir. Aug. 28, 2026) (AML IP, slip op.)において、連邦巡回区控訴裁判所(以下「CAFC」)は、Fed. R. Civ. P. 12(b)(3)に基づき裁判地が不適切であると認定した地方裁判所であっても、これと同時に書面が提出された、Rule 12(b)(6)に基づく請求原因の不記載(failure to state a claim)を代替的な理由とする却下申立てについて、なお判断を進めることができると判示した。See AML IP, LLC v. Bath & Body Works Direct, Inc., No. 4:22-cv-00216, Dkt. 47 (E.D. Tex. Aug. 13, 2024) (AML IP, D. Ct. Decision).

 

ここまでは問題ない。

 

通常であれば、こうした代替的判断は原告の訴訟における手続上の瑕疵を扱うものであり、事件は再訴を妨げない形で却下される。原告は裁判地が適切な裁判所に改めて訴えを提起することができ、当初の訴状の瑕疵も、新たに提起した訴訟において治癒しうる。

 

しかし、本件は通常の事件ではなかった。

 

本件におけるRule 12(b)(6)の判断は、まったく手続的なものではなかった。被告らの申立てについて判断するにあたり、テキサス州東部地区連邦地方裁判所のジョーダン判事は、AMLの米国特許第6,876,979号(以下「’979特許」)のクレームが35 U.S.C. § 101の特許適格性要件を満たさないと判示した。したがって、同裁判所のRule 12(b)(6)の判断は、’979特許のクレームが無効であるとする実体的判断であった。そしてその実体的判断は、本件は別の裁判所に提起されるべきであったと同時に判断した裁判所によって下されたのである。

 

予想されるとおり、地方裁判所の意見書は、まず裁判地を分析し、裁判地は不適切であるとの結論に達するところから始まる。この結論に達した同裁判所は、「この理由のみによって、本件は却下されるべきである」と述べた。AML IP, D. Ct. Decision, at 7. 仮に同裁判所がそこで判断を止め、裁判地の不適切のみを理由として事件を却下していたならば、AMLはCAFCに控訴してその手を煩わせることなく、別の裁判所に改めて訴えを提起していた可能性が高い。そもそもRule 41(b)は、裁判地の不適切を理由とする却下は「本案についての裁判として作用」しないことを明らかにしている。

 

それにもかかわらず、地方裁判所はRule 12(b)(6)に基づく特許適格性の申立てをあえて取り上げ、’979特許のクレーム1(AMLは、これが他のすべての主張クレームを代表するものであることを認めていた)は抽象的アイデアに向けられたものであり、いかなる発明概念も欠いていると判示した。Id. at 20. 意見書の末尾において、地方裁判所は「被告らの申立て」を認容した。これには、裁判地の不適切を理由とする申立てと請求原因の不記載を理由とする申立ての双方が明示的に含まれている。意見書は「原告の請求はここに却下される」との文言で締めくくられている。Id. at 21.

 

裁判地の不適切を理由とする却下とは異なり、Rule 41(b)は、請求原因の不記載を理由とする却下を、「却下命令が別段の定めをしない限り」、「本案についての裁判」として扱う。本件において、命令はそのような定めを一切していなかった。却下を同規則の原則的な取扱いから除外するために慣例的に用いられる文言である「再訴を妨げない(without prejudice)」は、命令のどこにも見当たらない。

 

自らの分析によればそもそも本件を審理すべきではなかった地方裁判所が、ペンの一振りによって、’979特許を全米の小売業界に対して行使しようとするAMLのキャンペーンに終止符を打ったのかもしれない。しかも、これは小規模なキャンペーンではなかった。

 

’979特許は、当初Paybyclick Corporationに譲渡されていたが、後にAMLが取得した。同特許のクレームは、広く、サービス提供者間の取引清算機関として機能する「ブリッジ・コンピュータ」を用いた電子商取引方法に向けられている。これまでにAMLは、少なくとも78件の別個の地方裁判所訴訟において’979特許を行使し、J.C. Penney、コストコ、Stripe、Bloomingdale’s、Kendra Scott、American Eagle Outfitters、Aldo、At Home、Cost Plus World Marketをはじめとする、よく知られた小売業者を標的としてきた。

 

AMLは、CAFCへの控訴において、地方裁判所の特許不適格判断の破棄を求めるのではなく、単にその判断の排除効を明確にすることを求めたにすぎなかった。CAFCは「勧告的意見」を求めるAMLの誘いを退け、’979特許のさらなる収益化を図るAMLの前途を不透明なものにした。

 

二つの問題が未解決のまま残されている。第一は、AMLが裁判地の適切な地方裁判所において、Bath & Body Worksを改めて提訴できるかである。これは請求排除効(claim preclusion)の問題である。第二は、AMLが他のいかなる小売業者であれ、いかなる場所であれ、提訴できるかである。これは争点排除効(issue preclusion)の問題である。

 

以下に見るとおり、これら二つの問題に対する答えは、それほど単純ではない。

 

II. AMLの連邦巡回区控訴裁判所への控訴

 

AMLは控訴において二つの争点を提示した。第一に、AMLは、地方裁判所は裁判地を欠くと判断した時点で「そこで判断を止め、その理由のみに基づいて却下すべきであった」と主張した。AML IP, slip op. at 6. 第二に、AMLは、地方裁判所が「さらに進んで、特許不適格を理由とする却下まで行ったことは誤りである」と主張した。Id. at 3. 奇妙なことに、AMLは、地方裁判所の裁判地に関する判断の当否も、特許適格性に関する分析の実質も、いずれも争わなかった。Id.

 

A. 権限と特権

 

争点がこのように純粋に手続的なものに絞り込まれたことから、CAFCは、AMLの控訴は「[地方]裁判所の訴訟指揮権限に関わるものであり、特許法に固有の争点を何ら提示するものではない」と認定した。Id. at 5. したがって、地方裁判所の判断は、第5巡回区控訴裁判所の判例法の下で、裁量権の濫用の有無について審査された。Id.

 

分析は、Rule 12(b)(3)に基づく裁判地不適切の申立てに同時に直面していた地方裁判所が、Rule 12(b)(6)に基づいて特許適格性の問題を判断する「権限」を有していたか否かを判断することから始まった。比較として、CAFCは、Rule 12(b)(1)に基づく申立てが関わる同様の状況において、事物管轄権に関する申立てのみを解決し、事物管轄権が欠けていると認定された場合には事件全体を却下するという実務について、「事物管轄権を解決する実務を是認する事例は『枚挙にいとまがない』」と指摘した。Id. at 7. 結局のところ、事物管轄権は裁判所が行為する権限に関わるものであり、放棄することができない。Id. at 6.

 

これに対し、裁判地または当事者に対する人的管轄権に関する異議は、放棄することができる。そして放棄された場合、裁判所による事件の裁判に本来的な瑕疵は存在しない。それゆえ、「裁判地は、裁判所の権限に関わるものではなく、訴訟当事者の便宜に関わるものであり、……当事者自身の処分に服する」のである。AML IP, slip op. at 6 (quoting Lindahl v. Office of Personnel Management, 470 U.S. 768, 793 n.30 (1985)) (emphasis added).

 

「地方裁判所に対し、裁判地に関する申立てに『最優先』を与えるよう戒める」「数少ない」判例について、CAFCは、それらの判例の論拠は、裁判地を争う当事者を「異議のある裁判地での訴訟追行を強いられること」から保護する点にあると指摘した。AML IP, slip op. at 7-8 (quoting In re Horseshoe Ent., 337 F.3d 429, 433 (5th Cir. 2003)). より端的にいえば、裁判地と人的管轄権はいずれも「裁判所に対する絶対的な制約ではなく、被告の個人的な特権」である。Id. (quoting Leroy v. Great Western United Corp., 443 U.S. 173, 180 (1979)).

 

本件において、AMLは被告でも「裁判地を争う当事者」でもなく、そもそも裁判地を選択した当事者であった。そのためCAFCは、裁判地を争う申立てに「最優先」を与えるべきとする戒めについて、「仮に裁判所がこの戒めに反していたとしても、AMLが不服を申し立てうるとは到底いえない」と述べた。Id. at 8 (emphasis in original). CAFCは、「総じて、この類型の判例に対するAMLの依拠は、地方裁判所が裁量権を濫用したと当裁判所を納得させるものではない」と論じた。Id.

 

地方裁判所が特許適格性の申立てについて判断する権限だけでなく裁量も有していたと認定した後、CAFCは、係属中の二つのRule 12(b)申立ての双方について地方裁判所が判断したことによる司法上の効率性を称賛した。仮に地方裁判所がRule 12(b)(3)に基づく裁判地の申立てのみについて判断し、AMLがその判断の当否について控訴していたならば、AMLに有利な破棄差戻しがなされたとしても、その後地方裁判所が特許適格性についてAMLに不利な判断を下した時点で、必然的に二度目の控訴が生じることになったであろう。本件において地方裁判所は、両方のRule 12(b)申立ての当否を単一の控訴において適時に審理できるような形で行動した。もっとも、それはAMLが実際にそれらの判断の当否について控訴することを選択していればの話である。

 

B. すべての当事者を悩ませる結果

 

皮肉なことに、AMLは、地方裁判所によるいずれのRule 12(b)却下についても、その当否を争う控訴をしないことを選択した。特許適格性に関していえば、AMLの控訴は、「[Rule]12(b)(6)に基づく却下の取消し、または当該判断には排除効がない旨の言明」という形での「確実性」を求めたにすぎなかった。AML IP, slip op.at 11.

 

CAFCはそのいずれも拒絶した。CAFCは、「地方裁判所の判決(および当裁判所の判決)が将来の事件において有しうる排除効について、実質的に勧告的意見を求めるAMLの請求を当裁判所は退ける」とし、その理由として、「『[本]件における判決の正確な[排除]効は、提起されうる……後の訴訟において必然的に判断されなければならない』」からであると述べた。Id. (quoting In re Katz Interactive Call Processing Patent Litigation, 639 F.3d 1303, 1310 n.5 (Fed. Cir. 2011)); see also Apple Inc. v. Voip-Pal.com, Inc., 976 F.3d 1316, 1322 (Fed. Cir. 2020).

 

そのような「提起されうる後の訴訟」の裁判所は、必ずや、AMLが特許法のSection 101に基づく’979特許の適格性について本案についての終局判決を受けたか否かを問うことになる。Rule 41(b)の作用により、地方裁判所がAMLの訴えを「再訴を妨げない」形で却下しなかったことは、「本案についての裁判」をもたらしたように見える。そして、AMLがその裁判の当否について控訴しなかったことから、後の裁判所は、当該裁判を特許不適格についての「終局判決」であると結論づける可能性がある。AMLは、地方裁判所の裁判が確定する前に’979特許を復活させる最善にして唯一の機会を失ったのかもしれない。

 

しかし、AMLにとってすべてが失われたわけではないかもしれない。終局性は排除効の一要件にすぎない。この法理は多要素的なものであり、むしろその他の要件が、AMLの特許収益化キャンペーンの今後の進展を左右する可能性がある。皮肉なことに、Bath & Body Worksは、知らず知らずのうちにAMLに先手を与えていたのかもしれない。

 

Bath & Body Worksの側では、その準備書面が、AMLに対する地方裁判所のRule 12(b)(6)に基づく特許不適格判断の排除効をめぐる将来のあらゆる訴訟の行方を不透明にした。将来の裁判所は、特許不適格の争点が前訴において現実に争われたか否かを問うかもしれない。そして本件において、Bath & Body Worksは言い過ぎたように見える。

 

Bath & Body Worksは、いささか虚勢を張りつつ、地方裁判所が特許適格性について判断したことを擁護するため、人的管轄権を欠く地方裁判所が「『移送先となりうる裁判所において事件に勝ち目がない』か否かを判断するために、本案について限定的な審査」を行う事例になぞらえた。Br. for Defendants-Appellees, No. 25-1280, Dkt. 17 at 15-16 (Fed. Cir. Apr. 25, 2025) (quoting Joslyn v. United States, 420 F. App’x 974, 979 (Fed. Cir. 2011) (citing Phillips v. Seiter, 173 F.3d 609, 611 (7th Cir. 1999))) (emphasis added). 同社の説明によれば、この実務は「移送元の裁判所が『勝ち目のない事件』で『他の裁判所の時間を浪費』しないことを確保する」ものである。Id. at 16 (quoting Phillips, 173 F.3d at 611). そして、Bath & Body Works自身の言葉によれば、「裁判地が不適切であると認定した後に、地方裁判所が本案について限定的な審査を行う裁量を有することは理解できる」のである。Id. at 16 (emphasis added).

 

実際、地方裁判所のRule 12(b)(6)の判断が限定的な審査の結果であったことを示す証拠がある。Markman v. Westview Instruments, Inc., 517 U.S. 370 (1996)が想定する類のクレーム解釈手続きは行われなかった。Bath & Body Worksは、’979特許が35 U.S.C. §§ 101, 102, 103, and 112に基づき無効であるとの確認を求める反訴を提起していた。そのような確認判決は一度も下されなかった。示唆的なことに、地方裁判所の終局判決は、「既に認容されたもの以外のすべての救済」を認めなかった。Final Judgment, No. 4:22-CV-216-SDJ, Dkt. 48 (E.D. Tex. Aug. 13, 2024). 地方裁判所はそうした確認判決を下すのではなく、Bath & Body Works自身が同特許の「限定的な審査」と表現した形式において、請求原因の不記載を理由とするRule 12(b)(6)の申立てについて判断することにより、訴答段階で’979特許の適格性を扱ったのである。

 

同様に、AMLによる特許適格性の防御が「勝ち目のない」ものであるとするBath & Body Worksの主張が誇張であった可能性を示す状況証拠もある。前述のとおり、AMLの特許収益化キャンペーンは、全米の小売業界の誰もが知る企業を相手取り、少なくとも78件の別個の地方裁判所訴訟において’979特許を行使するものであった。それらの訴訟の大半は、手続きの早い段階で、当事者の共同による任意の取下げにより終了しているように見える。それは疑いなく金銭的な和解によるものであろう。おそらくは高度な能力を有する代理人がついていたそれらの他の訴訟当事者にとって、Bath & Body Worksが提起したSection 101の特許適格性の争点は、決して目新しいものではなかった。それにもかかわらず、彼らはその争点を争うよりも和解を選択したように見える。

 

さらに説得力があるのは、AMLがテキサス州西部地区連邦地方裁判所のアルブライト判事の下で提起した関連事件である。同事件において、アルブライト判事は、裁判地に対する異議と、Section 101に基づく’979特許の適格性に対する異議の双方に直面した。同判事はそのいずれも退けた。特許適格性については、アルブライト判事は、「クレーム解釈および事実に関する証拠開示が、当裁判所の§ 101分析に影響しうる」と論じ、訴答に基づいてその問題を解決すること自体を差し控えた。AML IP, LLC v. American Eagle Outfitters, Inc., No. 6:21-cv-00823-ADA, Dkt. 33 at 15 (W.D. Tex. Oct. 19, 2022). どうやらアルブライト判事は、AMLによる特許適格性の防御は「勝ち目のない」ものでも、訴答段階における「限定的な審査」によって判断しうる事項でもないと判断したようである。この争点を現実に争うには、完全な記録を構築することが必要となるであろう。

 

III. AMLの不確かな前途

 

CAFCが、地方裁判所のRule 12(b)(6)判断および控訴審における自らの判決の排除効について意見を述べることを辞退したため、AMLの窮状は今や、AMLが次にどこで訴えを提起しようとも、それらの争点を第一次的に審理する地方裁判所の裁判官に委ねられている。ある裁判所は、Bath & Body Worksに対する、裁判地の適切な二度目の訴訟が請求排除効によって妨げられるか否かを判断するかもしれない。他の被疑侵害者に対するAMLの訴訟を審理する他の裁判所は、それらの訴訟が争点排除効によって妨げられるか否かを判断することになる。

 

A. 請求排除効:Bath & Body Works

 

例えば第5巡回区控訴裁判所の先例の下では、請求排除効には四つの要件がある。すなわち、「(1)当事者が同一であるか、または当事者間に密接な関係(privity)があること、(2)前訴の判決が管轄権を有する裁判所によって下されたこと、(3)前訴が本案についての終局判決によって終結したこと、(4)両訴訟において同一の請求または訴訟原因が問題となっていたこと」である。Test Masters Educational Services, Inc. v. Singh, 428 F.3d 559, 571 (5th Cir. 2005). 第4の要件については、CAFCは自らの判例法を適用する。「特許事件における特定の訴訟原因が他の訴訟原因と同一であるか異なるかは、特許事件に特有の適用を有する」からである。Acumed LLC v. Stryker Corp., 525 F.3d 1319, 1323 (Fed. Cir. 2008).

 

四つの要件のうち三つは単純明快である。一つはそうではない。

 

1. 当事者の同一性、請求の同一性、および管轄権を有する裁判所

 

AMLがBath & Body Works(または当初の訴訟の他のいずれかの被告)に対して新たに提起する訴訟は、当事者の同一性の要件を満たすであろう。第4の要件である「同一の請求」も、AMLが第一の事件で扱われたのと同じ特許クレームのみを主張する限り、満たされるであろう。

 

本件におけるCAFCの判決は、第2の要件である「管轄権を有する裁判所」も満たされることを強く示唆している。CAFCは、その分析の射程を限定するよう配慮しつつも、テキサス州東部地区連邦地裁がBath & Body WorksのRule 12(b)(6)申立てについて判断し、’979特許はSection 101の下で特許適格性を欠くとの結論に達する権限と裁量の双方を有していたと明示的に判示した。

 

2. 本案についての終局判決

 

そうすると、残る要件は「本案についての終局判決」である。

 

既に見たとおり、Rule 41(b)の下では、本件における地方裁判所のRule 12(b)(6)の判断は「本案についての裁判として作用する」。これは請求排除効の「本案についての終局判決」の要件について決定的であるように見えるかもしれないが、状況はそれほど明確ではない。

 

連邦最高裁判所は、Semtek International Inc. v. Lockheed Martin Corp., 531 U.S. 497, 503 (2001)においてこの問題を扱った。同判決は、先行する「本案についての判決」を裁判所がどのように扱ってきたかの歴史をたどり、「『本案についての』判決が必然的に請求排除効を認められる判決であるということは、もはや真実ではない」と結論づけた。同裁判所は、Rule 41(b)にいう「本案についての裁判」とは、単に「『再訴を妨げない却下』の反対」にすぎず、その主たる意味は、原告が同一の裁判所において同一の請求について再び訴えを提起することができないということであると判示した。Id. at 505.

 

それ以外の裁判所については、「それは疑いなく、他の裁判所における請求排除効のための必要条件ではあるが、十分条件ではない」。Id. これと異なる結論をとることの危険は、連邦民事訴訟規則に、それが値する以上の重みを与えてしまう点にある。

 

最高裁は、「他の裁判所が連邦判決に与えなければならない効力を規律する規則が、判決を下す裁判所自身の内部手続きを規律する規則の中に収められていると解するのは奇妙」であろうと説明した。Id. at 503. これは決して小さな懸念ではない。より広い解釈は、「規則授権法の管轄上の制限、すなわち規則は『いかなる実体的権利も縮減し、拡大し、または変更してはならない』という制限に違反するおそれがある」からである。Id. at 503.

 

したがって、Rule 41(b)に代わり、再訴を禁ずる却下の「請求排除効は連邦コモン・ローが規律する」。Id. at 508. Restatement (Second) of Judgmentsに目を向けると、§ 19は、「被告に有利に下された有効かつ終局的な対人判決は、同一の請求に基づく原告による別訴を妨げる」というおなじみの準則を定めている。しかし、Restatementのまさに次の条項は、「管轄権の欠如、不適切な裁判地、または当事者の不併合もしくは誤った併合を理由とする却下」の判決について例外を設けている。Id. § 20(1)(a). このような却下は将来の訴訟を妨げない。

 

そして、§ 20のコメントeはさらに踏み込み、本件でAMLが直面している特異な状況、すなわち複数の理由に基づく却下を扱っている。同コメントによれば、却下理由の少なくとも一つ(例えば裁判地の不適切)がそれ単独では二度目の訴訟を妨げないものである場合、その判決は、「他の判断のいずれかが、それ単独であれば判決を別訴の妨げとするものであったとしても」、後に提起された訴訟を妨げるものとして作用しない。

 

この準則の連邦裁判所における代表的な適用例は、Ruiz v. Snohomish County Public Utility District No. 1, 824 F.3d 1161, 1166 (9th Cir. 2016)であり、同判決は、人的管轄権の欠如と本案上の理由の双方に基づく却下は、本案に関して請求排除効を有しないと判示した。See also Pizlo v. Bethlehem Steel Corp., 884 F.2d 116, 119 (4th Cir. 1989)(「却下が二つの判断に基づいており、そのうちの一つが判決を同一の請求に基づく別訴の妨げとするものではない場合、当該却下は別訴の妨げとして作用すべきではない」)。

 

Ruizにおいて、第9巡回区控訴裁判所は、「本案についての」却下は「『結果にとって必要であった場合ほど慎重にまたは厳格に検討されていない可能性があり、その意味で傍論の特徴をいくらか備えている』」と論じた。Ruiz, 824 F.3d at 1165 (quoting Comment e). 本件において、Bath & Body Worksは、地方裁判所が自らの特許適格性の申立てについて判断するために「限定的な審査」を行ったとCAFCに対して主張することで、まさにそのことを認めていた。そして、’979特許の適格性に関するRule 12(b)(6)申立てを審理するにはより充実した記録が必要であるとしたAmerican Eagle Outfittersにおけるアルブライト判事の決定は、本件の地方裁判所が、実質的に同一の申立てを訴答段階で判断したことにより、必然的にまさにそのような「限定的な審査」を行ったことを示唆している。

 

しかし、第9巡回区控訴裁判所のRuiz判決が掲げた第二の論拠は、本件におけるCAFCの判決と正面から衝突するように見える。Ruizによれば、「『自らに判断権限がないことを認める裁判所は、判断権限を有する裁判所を拘束しようとすべきではない』」。Id. (quoting 18A Charles Alan Wright, Arthur R. Miller & Edward H. Cooper, Federal Practice and Procedure § 4421; see also Foss v. Eastern States Exposition, No. 22-1313 (1st Cir. May 10, 2023)). 本件において、CAFCは、裁判地が不適切であるとの地方裁判所の判断は、とりわけ裁判地を選択した原告に対する関係では、実体的なRule 12(b)(6)申立てについて判断する「権限」を同裁判所から奪うものではないと明示的に認定した。

 

したがって、同様の状況にある事件において、CAFCは地方裁判所に判断権限があるとし、第9巡回区控訴裁判所はそれがないとする。しかし、両巡回区の判決の間に見える隔たりは、それほど大きくはないのかもしれない。

 

Ruizにおいて、第9巡回区控訴裁判所は、一見矛盾するように見える自らの先行判決であるWages v. IRS, 915 F.2d 1230, 1233-35 (9th Cir. 1990)に言及した。同判決は、「『地方裁判所は、人的管轄権を有しない場合であっても、訴状が請求原因を記載していないと判断することができる』」と判示していた。Ruiz, 824 F.3d at 1166. Wagesは本件におけるCAFCと同じ結論、すなわち地方裁判所はRule 12(b)(6)申立てについて判断する「権限」を有するという結論に達したと論じることもできよう。しかしRuizは、Wagesについてより精緻な見方をとり、判断する地方裁判所の「権限」を、人的管轄権を欠く場合にRule 12(b)(6)申立てについて判断することが許される「裁量」と同視した。

 

Ruizにおいて、第9巡回区控訴裁判所は、「Wages準則に従って判断を言い渡す裁量が地方裁判所にいかにあろうとも、人的管轄権なくして言い渡された判決に既判力を与えることは別の問題である」と説明して、自らの先行判決を区別した。Id. (emphasis in original). 言い換えれば、自らに係属するすべてのRule 12(b)申立てについて「再訴を禁ずる」形で判断する地方裁判所の裁量は、事件が誤った裁判所に提起されたと同裁判所が判断する場合には、いずれの判断にも自動的に排除効を付与するものではない。むしろ、そのような却下は、「通常は(常にではないが)、他の裁判所において請求を妨げないという帰結を[有する]が、その主たる意味は却下する裁判所自身に関わるものである」。Semtek, 531 U.S. at 505 (emphasis in original).

 

同じ論拠は、本件のAMLの事件にも等しく当てはまると論じることができる。実際、地方裁判所自身、自らの行為を「『複数の理由に基づいて却下が適切であるか否かを判断する裁量』」に基づくものと性格づけていた。AML IP, slip op. at 5 (quoting J.A. 3-4). また、CAFCは、判断する「権限」という言葉で分析を表現しながらも、地方裁判所の行為に対する審査を、「裁判所の訴訟指揮権限」の下での「裁量権の濫用」の有無に明示的に限定した。Id.

 

このように裁量的判断として性格づけられる場合、Ruizは、事件が誤った裁判所に提起されたのであれば、「地方裁判所が本案について適切に意見を述べたと仮定しても……、本案についての同裁判所の判決は既判力を[有し]ない」と教えている。Ruiz, 824 F.3d at 1166. このような状況において、同裁判所は、「『第一の裁判所は、自らの判決の排除効を他の裁判所に指図することはできない』」と論じた。Id. at 1168 (quoting Phillips Petroleum Co. v. Shutts, 472 U.S. 794, 805 (1985)). したがって、複数の理由に基づく却下から生じる本案についての裁判は、「既判力の目的において常に決定的であるわけではない」。Id. このような裁判は、「疑いなく、請求排除効のための必要条件ではあるが、十分条件ではない」。Semtek, 531 U.S. at 505.

 

どうやら、AMLは、適切な裁判地においてBath & Body Worksを改めて提訴することを必ずしも妨げられないようである。しかも、Bath & Body Worksは、AMLにとって最も説得力のある論拠を既に提供している。テキサス州東部地区連邦地裁の特許適格性に関する判断は、代替的な却下理由についての裁量的な「限定的な審査」にすぎず、同裁判所に提示された主要な争点、すなわちそもそもテキサス州東部地区における裁判地が適切であったか否かを判断するために必要なものではなかったのである。

 

B. 争点排除効:その他すべての者

 

特許実務家の多くは、特許無効の先行判決が事実上その特許の生命を終わらせ、他のいかなる当事者に対する行使も排除するという考え方にすっかり慣れ親しんでいる。これは一般的には正しいが、常にそうであったわけではない。

 

連邦最高裁判所のTriplett v. Lowell, 297 U.S. 638 (1936)判決は、いわゆる「禁反言の相互性」の準則を確立した。これは、特許無効の先行判決の当事者でない者は、同一特許に基づく訴訟を阻止するために、その先行判決を特許権者に対して援用することはできないとするものである。前の事件において特許無効の判決が下されていても、被疑侵害者またはその密接な関係者が前の事件の当事者でなかった限り、特許権者は後の事件において同一の特許および同一のクレームを自由に主張することができた。相互性の準則の論理的帰結は、同一または実質的に類似した特許無効の争点が、複数の裁判所において繰り返し争われることであった。

 

Blonder-Tongue Laboratories, Inc. v. University of Illinois Foundation, 402 U.S. 313 (1971)において、連邦最高裁判所は、Triplettの相互性の準則を、「一度無効と宣言された特許の侵害の訴えに直面した者による禁反言の抗弁を排除する限りにおいて」変更した。402 U.S. at 350. Blonder-Tongue以降、自らの特許の有効性を争って敗訴した特許権者は、他の被疑侵害者に対してその特許を再び主張することを禁反言によって妨げられうることとなった。

 

しかし、連邦最高裁判所はその判断にいくつかの留保を付しており、禁反言は先行する不利な判決から自動的に生じるものではない。「むしろ、原告である特許権者には、可能であれば、自らが『最初の機会に、手続的、実体的および証拠上、自らの請求を追行する公正な機会』を有していなかったことを立証することが認められなければならない」。Id. at 333 (quoting Eisel v. Columbia Packing Co., 181 F. Supp. 298, 301 (D. Mass. 1960)). 同裁判所によれば、この審理は「特許訴訟の複雑性に関する重要な懸念、および前の手続きに重大な瑕疵があったという想定される危険を……包含する」ものである。Id.

 

また、この審理は機械的なものでもない。「特許権者が前の事件において自らの特許の有効性を争う十分かつ公正な機会を有していたか否かを判断することは、必然的に単純な問題ではない」。Id. 関連する考慮要素には、特許権者による法廷地の選択および訴訟追行のインセンティブ、第一の裁判所が適用されるべき法的基準を用いようとしたか否か、「地方裁判所および(もしあれば)上訴裁判所が提出した意見書が、前の事件は裁判所が係争中の技術的主題および争点を完全に把握し損ねた比較的まれな事例の一つであったことを示しているか否か」、ならびに「特許権者が、自らの過失によらずに、最初の訴訟において決定的な証拠または証人を奪われたか否か」が含まれる。Id.

 

同裁判所は、これらのいずれをも定式的な準則に還元することを拒んだ。「[いかなる]事実の組み合わせも、いかなる語句の集合も、禁反言の抗弁に関する適切な判断のための自動的な公式を提供するものではない。結局のところ、判断は必然的に事実審裁判所の正義と衡平の感覚に委ねられる」。Id. at 333–34. Blonder-Tongueは現在もなお有効な判例である。

 

1. 争点排除効の要件

 

争点排除効の現代的な要件は、ここでも第5巡回区控訴裁判所の判例法によれば、次の四つである。(1)争点が前訴において争われた争点と同一であること、(2)当該争点が前訴において十分かつ真剣に争われたこと、(3)当該争点が前訴における判決を支えるために必要であったこと、(4)排除効を不適切または不公正とする特段の事情が存在しないこと。United States v. Shanbaum, 10 F.3d 305, 311 (5th Cir. 1994).

 

これらの要件は、あらゆる争点の先行判断への適用のために一般化されたものであるが、その第2および第4の要件は、特許無効の先行判決の審査に特に適用されるBlonder-Tongueの留保を十分に包含している。とはいえ、Blonder-Tongueは、そうした先行判断に対するより厳格な精査を促すものであり、他の被疑侵害者に対して’979特許を主張するにあたり、AMLにさらなる余地を与える可能性がある。

 

2. 争点の同一性

 

この要件は、AMLがBath & Body Worksに対して主張した特許クレーム(’979特許のクレーム1、6、7、10、12および13)に関しては疑いなく満たされる。そして、将来の被告が、この要件は同特許のすべてのクレームについて満たされると主張することも考えられる。

 

特許適格性に対する異議に対応するにあたり、AMLは、クレーム1がすべての主張クレームを代表するものであることを認めた。地方裁判所は、その自認に明示的に依拠して、クレーム1のみを分析した。AML IP, D. Ct. Decision, at 20 & n.3. AMLが将来の事件において同特許の他のクレームを主張する場合、AMLは、それらの他のクレームが、’979特許のクレーム1とも、Bath & Body Worksに対して以前に主張した残りのクレームのいずれとも何らかの点で実質的に異なり、それらによって代表されないことを立証するよう迫られる可能性がある。

 

3. 十分かつ真剣に争われたこと

 

表面的には、この要件も満たされている。AMLは、Rule 12(b)(6)申立てに対して本案について反論し、自ら選択した裁判所において特許適格性の争点について書面を提出し、審問に出頭し、その後記録を補充し、敗訴し、そしてRule 59(e)に基づきその敗訴を覆すよう申し立てた。通常、この要件が満たされないのは欠席判決の後であって、数次にわたる書面の提出と口頭弁論の後ではない。

 

しかし、さらに掘り下げると、Bath & Body WorksがCAFCへの準備書面において、地方裁判所は「勝ち目のない事件」を処理するために「本案についての限定的な審査」しか行わなかったと自認していることが明らかになる。限定的な審査は、明らかに十分な審査ではない。残る問題は、それが争点排除効の目的にとって足りるものであったか否かである。

 

アルブライト判事が、実質的に同一のRule 12(b)(6)の特許適格性の争点について、クレーム解釈および事実に関する証拠開示の後まで判断を延期したことは、AMLにとって大きな助けとなる。アルブライト判事は独自に、より充実した記録を構築するため、「特許の§ 101適格性の判断を遅らせることが最も賢明な方策である」と結論づけた。American Eagle Outfitters, Inc., No. 6:21-cv-00823-ADA, Dkt. 33 at 15. 客観的に見て、本件の地方裁判所は正式なクレーム解釈を行っておらず、証拠開示も一切行われなかった。AMLは、特許適格性の争点は訴答段階において十分かつ真剣に争われてはいなかったと、十分な根拠をもって主張することができる。

 

4. 判決を支えるために必要であったこと

 

この点こそ、AMLがより強力な論拠を有しうるところであり、CAFCのVoter Verified, Inc. v. Election Sys. & Software LLC, 887 F.3d 1376 (Fed. Cir. 2018)判決が、概念的に関連する分析を提供している。

 

Voter Verifiedは、AMLの事件とは逆の局面で生じた事件である。同事件では、争点排除効を援用しようとしたのは特許権者であった。同一当事者間の、同一特許に関する先行訴訟において、地方裁判所はElection Systemsには侵害の責任がないとの判決を下しており、その判決はいくつかの判断に依拠していた。すなわち、クレーム1から93は侵害されていないこと、それらの同じクレームはSection 101および112の下で無効ではないこと、クレーム94はSection 112の下で無効であること、そしてクレーム49はSection 103の下で無効であることである。Section 101に関する判断がVoter Verifiedに有利となったのは、主として、Election Systemsの反訴はSection 101に基づく無効を主張していたものの、Election Systemsが略式判決の書面手続きにおいて関連クレームの無効に関して「いかなる主張も証拠も提出しなかった」ためであった。Id. at 1379-80.

 

Election Systemsに対する後の訴訟において、Voter Verifiedは同一の特許を異なる製品に対して主張した。その後の事件において、Voter Verifiedは、先のSection 101判断により、Election Systemsが特許適格性を再び争うことは排除されると主張した。Voter Verifiedの主張が正しければ、特許適格性の争点は検討対象から外れることになる。そうでなければ、CAFCは特許適格性を本案について審査し、判断しなければならないことになる。

 

CAFCは、Voter Verifiedが争点排除効の二つの要件を立証できなかったことから、排除効は生じないと判示した。Section 101の争点は、第一の事件において「実際にはほとんど検討されておらず」、「現実に争われていなかった」。Id. at 1383. そして、Section 101の争点は、「第一の地方裁判所訴訟における判決に必要なものではなかった」。Id.

 

必要性について、同裁判所は、前の事件の地方裁判所が「これらの判断のうちいずれが終局判決にとって決定的または必要であったかを特定していなかった」と指摘した。Id. at 1383. 指針として、CAFCはRestatement (Second) of Judgments Section 27のコメントiに目を向けた。同コメントは、「第一審裁判所の判決が二つの争点に関する判断に基づいており、そのいずれもが独立して結果を支えるのに十分である場合、その判決は、いずれの争点についても単独では決定的なものではない」と述べている。Id.

 

その曖昧さに直面して、同裁判所は実際的な判断を下した。「無効の判断または非侵害の判断のいずれもが、当事者が侵害の責任を負わないとする終局判決にとって十分である」ことから、CAFCは、Section 101に関する判断は「第一の地方裁判所訴訟における判決に必要なものではなかった」と結論づけた。Id. at 1383–84; see also Hill-Rom Co. v. Kinetic Concepts, Inc., 209 F.3d 1337, 1344 (Fed. Cir. 2000)(「地方裁判所による無効の争点の解決は、判決に必要なものではなかった」)。争点排除効はないと認定したうえで、CAFCは特許適格性の本案に取り組み、最終的にクレームは特許適格性を欠くと判示した。

 

「これらの判断のうちいずれが終局判決にとって決定的または必要であったかを特定」しなかったVoter Verifiedの前訴の地方裁判所とは異なり、本件の地方裁判所は、Bath & Body Worksに対するAMLの訴訟を却下した書面の判決において、そのような曖昧さを一切残さなかった。地方裁判所は、裁判地は不適切であるとの結論に達した後、特許適格性の分析に移る前に、「この理由のみによって、本件は却下されるべきである」と明示的に述べていた。AML IP, D. Ct. Decision, at 7. したがって、自らの分析によれば、地方裁判所がAMLの訴訟を却下するという最終的な判断に到達するためには、裁判地の争点を判断するだけで足りたのである。特許適格性の争点は、事件を却下するために、まったく必要ではなかった。

 

5. 特段の事情

 

第4の要件はBlonder-Tongueの包括的要件であり、特許権者が「最初の機会に、手続的、実体的および証拠上、自らの請求を追行する公正な機会」を有していたか否かを問うものである。402 U.S. at 333. これに関連する審理として、特許権者がその争点を「争うインセンティブ」を有していたか否かがある。Id. 本件において、これらの衡平上の考慮は、とりわけ特許適格性に関する判断が事件を却下するという地方裁判所の判断に必要ではなかったことをAMLが示すことに成功した場合には、AMLに有利に働く可能性がある。

 

第9巡回区控訴裁判所がRuizにおいて引用したRestatement (Second) of Judgments Section 20のコメントeは、結果に必要ではない判断は「結果にとって必要であった場合ほど慎重にまたは厳格に検討されていない可能性がある」と説明している。Ruiz, 824 F.3d at 1165. 裁判地は不適切であると判断した以上、本件の地方裁判所は、特許適格性を検討し判断する前に、並行するテキサス州西部地区連邦地裁の事件においてアルブライト判事が想定していたのと同じ範囲のクレーム解釈および証拠開示を行う立場には明らかになかった。その意味で、AMLは「手続的、実体的および証拠上、[自らの]請求を追行する公正な機会」を有していなかった可能性がある。Blonder-Tongue, 402 U.S. at 333.

 

CAFCがVoter-Verifiedにおいて引用したSection 27のコメントiは、「第一審裁判所の判決が二つの争点に関する判断に基づいており、そのいずれもが独立して結果を支えるのに十分である場合、その判決は、いずれの争点についても単独では決定的なものではない」と述べている。そして、判断の一つが結果にとって副次的または不要であることが示される場合、裁判所は、敗訴当事者にはその副次的な判断について控訴するインセンティブが乏しいと認定してきた。See Nat. Satellite Sports, Inc. v. Eliadis Inc., 253 F.3d 900, 909 (6th Cir. 2001)(「NSSには、NSSが請求原因を記載していないとした同裁判所の副次的な判断について控訴するインセンティブがなかった」); Halpern v. Schwartz, 426 F.2d 102, 105 (2nd Cir. 1970)(「敗訴した訴訟当事者は……判決に何ら影響を及ぼさなかった誤りの主張について控訴する動機をほとんど持たないであろう」)。

 

通常、控訴されなかった「本案についての裁判」は終局判決であり、AMLが特許適格性に関する地方裁判所の不利な判断について控訴しなかったことは明白である。本件において、Blonder-Tongueおよびその他の判例法は、本件の状況の下ではAMLには地方裁判所の判断の当否について控訴する合理的なインセンティブがなかったことを立証するための合理的な道筋をAMLに提供する可能性があり、これらの衡平上の考慮を比較衡量する後の裁判所が、正当にもこれに同意することもありうる。

 

IV. 結論

 

すべての訴訟当事者は相手方に備えて計画を立てる。しかし、裁判官に備えて計画を立てる者はほとんどいない。AMLは、全米のブランド小売業者を相手に約78件の訴訟において’979特許を主張しており、遅かれ早かれ、いずれかの事件で自らの特許クレームは特許適格性を欠くとの正面からの判断が下されることは予期していたに違いない。AMLが計画しえなかったのは、裁判地の不適切のみを理由とする却下であればまったく大きな痛手とはならなかったであろう状況で、裁量的な判断によってその争点について敗訴することであった。

 

皮肉なことに、Bath & Body Worksは、AMLに最も明るい希望の光をもたらしたのかもしれない。それは、AMLの特許適格性に関する敗訴が「限定的な審査」の結果であったという自認である。この自認は、将来の地方裁判所が、Bath & Body Worksその他の小売業者に対するAMLの特許収益化キャンペーンの再開を認めることを後押しするかもしれない。そして、再開されたキャンペーンは、’979特許が、Bath & Body Worksが描いてみせたような「勝ち目のない」特許であったことなど、そもそもあったのか否かを明らかにすることになるかもしれない。

 
 
 

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